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北京オリンピックでの「なでしこジャパン」、残念ながらセミファイナル・3位決定戦とも勝つことができず、ベスト4止まりでメダル獲得には至りませんでした。 しかし、前回のコラムで書いたようにノルウエーを相手に展開した素晴らしいフットボールをその後も見せ、日本国内の一般大衆に対してだけではなく(それよりも重要なことに)、世界の女子サッカーに大きなインパクトがあったようなのです。 メダルを獲得した他のチームからも大きな賞賛の声が寄せられています。日本チームは女子サッカーの未来を示した、とまで形容されているものもありましたね。 そりゃ、そう思うだろうよ。パワーと体格に優るチームが勝利をおさめるというある種単純な図式だった女子サッカーにおいて、初めてかもしれない、クリエイティブなフットボールが登場してきて相応の戦績を残したことは。 是非、今後も進化を遂げて行って、本当に世界の女子サッカーシーンを変革していって欲しいものだ。そして、今回も相当押し込み相手を崩しながらも、いい時間帯にゴールマウスをこじ開け切れなかったところ、最後は体格やパワーに押し切られたところをも、凌駕していって欲しいものだ。 (日本チームはチャンスメーカーの宮間がおそらく膝の負傷だろう、決勝トーナメントでは動けなかったのが痛かった) また、日本のスポーツ界においても、チームスポーツで今後国際的に戦える種目が数少ない中、そういう意味でも女子サッカーは貴重な存在になるだろう。 正直言うと、選手層の薄さやプレー環境の貧弱さが心配だし、それに伴う息切れみないたものを起こさないか懸念されるけれども、そこを日本サッカー協会さん、年間200億円近い予算を持っているのだから、うまく厚くサポートしてやって欲しいものだ。 それとは別に、女子サッカーのブラジルがセミファイナルでドイツを破った試合を見たが、日本の男子選手よりもテクニックやスキルがあるんじゃないかと思うようなプレーが結構あった。 日本の男子、大丈夫かよ!? さて、その男子のほうだ。 相変わらず、オリンピックの総括をやろうとしない。 総括というのは大雑把な感想ではなく、技術的な分析・総括のことだ。 そういえば、ドイツ・ワールドカップの後も全然なかったな。総括レポートすらも提出しないで日本をさっさと去っていった監督もいたし。代表チームの監督はレポートを出すもんなんですよ。そういうことが契約に盛り込まれていなかったのか、無視されたのか…。 個人のサイトなんかのほうが、しっかり総括やってますよ。ここなんか充実して読み応えある。 武藤文雄のサッカー講釈(上・中・下の3部作だ) (上) http://hsyf610muto.seesaa.net/article/105431170.html (中) http://hsyf610muto.seesaa.net/article/105542663.html (下) ←まだみたい… そしていよいよ6日からワールドカップのアジア最終予選が始まる。 8月27日のインターナショナルマッチデイに行われたウルグアイ戦を見てたら、暗澹たる気分にもなったし(ウルグアイも南米予選間近なんで、マジモードでよかったね。こういう相手と試合しないとね)。 その後も合宿の様子が伝わってくるところによると、こりゃかなりヤバイですね。 アジア3次予選でも同組だったバーレーンとまたやらないといけないわけだが、今年の3月にアウェイでゴールキーパー・川口の大チョンボで(←私は何度でも言いますよ)失点して負けちゃったこともあって、日本とバーレーンが互角とか書いているメディアもあるけれど、互角ということはない、日本が普通に負ける相手ではない。それは明確。 だが、日本の選手はJリーグの並行開催もあってタイヘンだから。メンタルも含めたコンディションが。 それよりも何よりも、チームマネジメントがこんなにもお粗末なんだから。 はっきり言って、選手の質や量が十年前よりもはるかに向上した今こそ、日本人監督では代表チームのマネジメントは無理! 加えて、Jリーグも軌道に乗っているので合宿をはる時間も余裕も限られているわけで。そんな中ではチームづくりが全然進まないし、実際に進んでいない。 オシムの後に急遽、岡田になって、これほど日本人監督では無理とまではぶっちゃけ思っていなかったが、この半年強見てきて、全然無理だということがよくわかった。 だから、6日のバーレーン戦の結果がどうあれ、ほんとに、監督を替えて欲しい。でないと最終予選、スリルを味わいすぎてしまうかもよ(そればかりか、最悪の結末の心配だってしなくてはならない)。 だって、こんな面白すぎる記事だってあるくらいなんだから。西部謙司氏による「もし、自分がマチャラ監督だったら」…バーレーン監督のつもりになってバーレーンから見てやれることを考えてみる、という趣向の記事だ。 http://wsp.sponichi.co.jp/column/archives/2008/09/post_1180.html 要は、それくらい今の日本代表チームは間口・奥行きがないということだよ。それは選手の能力の問題ではないよ。チームづくりの問題・欠陥だ。 6日のバーレーン戦、そんなわけで監督の手腕には全く期待していない。選手たちが、個々の力だろうが何だろうが何でもいい、監督の采配やベンチワークとは関係なくバーレーンを撃破してくれることを、選手を信じて見守るだけ。そして願わくは、監督が余計な采配をしないことも。 キックオフは日本時間7日の早朝3:30だ。違った意味で固唾を呑んで見守るというか、注視することになろう。 (2008/9/5) |