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6月7日にはオマーン、そして14日にはタイと、ワールドカップ・アジア三次予選のアウェイ2連戦を終えました。 結果的にこの2連戦を1勝1引き分けで切り抜け、バーレーンVSオマーンがドローに終わったため、最終戦を待たずに三次予選突破が決定しました。 ま、当たり前とはいえよかったですね! まず7日のオマーン戦、だからね、スポーツをやる環境にない時刻にやらかすから、ああいう試合になる。 日本選手だけじゃなく、オマーン選手のほうだって(彼らのほうがむしろ)へばってたじゃない。そもそもこの試合前にオマーンのゴールキーパーのアルハブシ(彼はイングランド・プレミアリーグのボルトンでプレー)が「よい試合にはならないだろう」と語っていたことが日本のメディアにも紹介されていたけれど、ま、そういうことですよ。 TVビジネスは莫大なものだろうけど(ピッチ周囲の看板も日本のものばかり)、もうちょっと選手のことを考える人に関わって欲しいな。 それで試合のほうだが、オマーンが6月2日の日本での試合での戦い方から大きく変えてきたことで驚いている向きもあったが、デフォルトに戻したわけでしょう。引きこもって人数かけてゴールを与えないで、ロングボールを日本チームのディフェンスラインの裏に放り込んで一発勝負みたいな…サッカーとしてどうなのよ、と言えば、ぶっちゃけ「○○なサッカー」(○○には適当な言葉を当てはめてお読みください)だよね。 せこいというか、勝ちゃいいんだみたいな。 ま、日本国内でも時々見られるけどね、U-12とかの試合でもどうしても勝たせたいと大人が凝り固まった指導してたりするとよく見られたりする。 オマーンはこの試合の前にウルグアイ人の監督を解任したんでしょ。その監督がやろうとしてたのは、こういうサッカーの変革なんだろうけど、オマーンの上層部はそれを受け入れることができなかったということだね。 だがね、いつまでもそんなことばっかしやっているからアジアのレベルが上がらないんだよ。 いろいろなフットボール(サッカー)がある、と言えばそうなんだが、しかしこういうのはどーよ。勝つサッカーがいいサッカーなんじゃないのか、なんて強弁するサッカーファンも時々いるが、それは違うんだよ。もちろん、いいサッカーをしても(追求しても)勝たなきゃ確かに意味はないんだけどね。 話を戻そう。試合序盤に先制されて、それも日本の左サイドバックの裏にロングボールを放り込んできて、その対処に闘莉王がしくじって無用にフリーキックを与えてしまい、そのこぼれを蹴り込まれた。まったくもって闘莉王の余計なファイルがもたらしたもので、ゴールライン近くの深い位置からのフリーキックに嫌な予感がした人も多かったでしょう。 闘莉王は同点に追いついた後もペナルティキックを与えるファイルをやらかしちゃって、この日は Bad Day だったみたいだ。 PKを与えたシーンも、相手がPK狙いで強引に切り込んできたのを相手の注文どおりに倒してしまった。その前に日本にPKが与えられているので、PKを一方のチームに出すと逆のチームにも出やすいものなので、それを狙ったオマーン選手の賢いプレーとは言え、それにまんまと引っ掛かった。 そもそも闘莉王は暑いのは苦手なのかね? タイ戦でも結構危うかったゾ。 暑さがくると思考回路が詰まり気味になるみたいだ。 でまあ、日本チームは慌てずにオマーンを追いつめ、結果的には玉田が倒されて得たPKを遠藤お得意の「コロコロPK」で決めて同点に。 あの場面の遠藤VSアルハブシは見所あったよね。アルハブシも遠藤の「コロコロPK」を知っていたのだろ、ギリギリまで動かなかったんだけど、遠藤の技術がまさった形。 アルハブシはまったく動けなかったからね(この日はスポーツ科学の先生たちと一緒に観ていたのだけど、遠藤の足首の柔らかさを絶賛してましたね。「コロコロPK」もその賜物でもあるし、流れの中でのキックも実に柔らかく小さいモーションで良いキックを蹴ると)。 しかしその後に、先に書いたように闘莉王がPKをとられて、さすがにマズイ! と思ったが、楢崎が止めてくれた。 楢崎! ありがとう!! こういう環境での試合だからドローで結構なんだけど、しかしまあ、充分勝てた試合であることは事実で、例えば前半30分過ぎの大久保のヘッドなどは、相手ゴールキーパーのアルハブシのファインセーブがあったとは言え、 あれを決めないでいつ決めるの? というものだったし、後半立ち上がりにも、松井がイイ形で切れ込みながらシュートふかす…内田のクロスを長谷部がヘッドし損ねる…大久保がビッグチャンスにシュートを豪快にふかす…の3連続シーンには、さずがに嫌な雰囲気がしてきた。 充分に2-1で勝てた試合です。 14日のタイ戦、スタメンを見て、タイは空中戦に強くないので、なんで巻なりをトップに起用しないのだろうと思ったけど、そうですか、闘莉王と中澤にお頼りするわけですね。確かにお二人のヘッドで2点のアヘッド。ありがたいことだ。 だが、中澤と闘莉王はセンターバックであり、いくらセットプレーのチャンスとは言え、本来はフォワードの選手の仕事だろうになぁ。 中村俊輔も松井もコンディションが悪い中で強行出場させたのは、この試合でどうしても勝点3ポイントを積み上げようというなりふり構わぬ岡田監督に姿勢の表れだと思うけど、内容は乏しかったと言うしかないね。ま、それでも、そういう試合もあってよいのですけどね。後半は中村俊輔と松井を早く下げなさいよ、中村憲剛を入れて縦へのスピードのある攻撃を出そうよ、とか、トップに巻なりを入れてターゲットマンにしようよ、とかブツブツ言っていたら、ちょっと遅かったけどそのような交替をしてくれましたね。ただ、巻ではなく矢野貴章だったけど。 どうも岡田監督の中では巻よりも矢野貴章のようだね。 矢野貴章のほうが足元の技術があるからかな。だけど、試合終了直前に右45度くらいからのフリーのシュート、あれは決めてくれよ矢野。逆サイドのサイドネットに突き刺してこそのフォワードだろうが。 後半は追加点もほとんど試合終盤という勝ち味の遅さではあったが、とにかく(見るべきところの少ない)「現実的な」試合内容で、思惑どおり勝点3ポイントを積み上げました。ほとんどそれだけの試合だったかもしれんなぁ。 だけどね、これじゃ最終予選は危ないよ。 相当にチームとしての積み上げをしてくれないと。最終予選は9月6日からすぐに始まるのだけど、岡田監督で行くんですかね…行くんですよね。ここは日本だからなぁ。 う〜ん。 私はですね、選手のクオリティをみても、やはり日本選手はなかなかよいと思う。 EUROを毎晩(毎深夜)ご覧になっているサッカーファンからは「なんでこんなに違うんだ」というような声も大きいけど、私は日本選手も相当やれるポテンシャルがあると思う。だがね、10人のフィールドプレイヤーのうち半分くらいはそうなんだけど、残り半分については監督のある一定以上の指導が鍵を握るクラスであるということ。 だから、セレクションしてメンタルをマネジメントするだけでよい類のナショナルチームではないわけです、日本代表チームは。 そういう意味では、EUROよりも確かにクラスは絶対的に下だよ。だからこそ、監督の手腕が必要なんだが…他にいないのか? タイ戦に戻るが、キックオフ直後に素晴らしい出足で長谷部が相手ボールをかっさらってドリブリングで突進したのに、シュートを相手ゴールキーパーにぶつけてしまったよね。 あれもさぁ、決めろよ!! せっかくスーパーなプレーだったのに。 1トップ下に入った19歳の香川だけど、今年のセレッソ大阪での活躍、その前には昨年のU-20ワールドカップでの注目に値するプレーぶりを目にしてずっと追いかけているけど、たとえば中田英寿が20歳でA代表に選出されて、いきなりスタメン出場(1997年5月の韓国との親善マッチ)した時などから比べると全然物足らないので、もっともっとガシガシ頑張って欲しい。 ところで、女子アジアカップの日本女子代表チームだが、願いも虚しくセミファイナルで中国に(東アジア選手権の)返り討ちされてしまったとのこと。ただ、先制して、その後もよいペースだったのに、中国の一気の選手交替によって3ゴールを奪われたらしく、それはもちろんナンだが、スコア(1-3)のような内容ではなかったらしい(TVでやってくれないからわからん)。 3位決定戦は、この大会で2度めの対戦となるオーストラリアに、こちらは3-0で返り討ちにして3位を確保したとのこと。 そしてこの大会のMVPに澤穂希が選ばれたということなので、3位チームからMVPが選ばれるということは、チームとしてもよいパフォーマンスだったということなのではないだろうか。 繰り返すが、TVで全然やってくれないからわからん。AFC(アジアサッカー連盟)主催試合の放映権を一括で買っちゃっているのはテレビ朝日だ。←今年で契約期間終了なんだが、2009年以降もテレビ朝日が一括で買っちゃうのか? それはもう勘弁して欲しい、というのが、サッカーファンの多くの声だ。 今回の締めに、ユーツベで遠藤の「コロコロPK」集が見られるので紹介しますね。 (2008/6/15) |