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9月11日夜から12日にかけては、またしても日本代表チームの試合をハシゴ観戦。 まず、11日夜21:00(日本時間)から中国で開催されている女子ワールドカップのグループリーグ初戦。初戦の相手はイングランド。 このグループには世界トップのドイツが入っているので、イングランドに勝っておかないとグループリーグ突破の可能性が低くなる重要な一戦。 グループリーグのもう1チームはアルゼンチンだが、アルゼンチンからは勝点3ポイントが取れるとは思うのでね(アルゼンチン前回大会でも同じグループで6-0で勝ったけど、ただ今回はわかんないけどね)。 事前に詳しい人にも聞いていたのだけど、イングランドの女子代表というのがどれくらいのレベルなのかがまったくわからず… でもキックオフ直後から何だか“フットボールの母国”らしい雰囲気が漂っていて、ヤバイなぁ〜という感じ。 それでもフリーキックを直接決めて先制して、押し込まれながらも逃げ切れそうな気もしていた矢先に連続ゴールを奪われて1-2…それでもって、もうロスタイムも終わる頃、奇跡的に再びフリーキックを直接捻じ込んで、何とか2-2のドローに持ち込んだ。これには大興奮。 このフリーキックを決めたのは宮間(岡山湯郷Belle)なんだが、これはちょっと歴史に残りそうな素晴らしいフリーキックだった。 1点めのフリーキックを決めたのも宮間で、まったくもって宮間の2発に救われた。しかも1点めのほうは右足アウトにかけた(日本人らしくない)フリーキック。 フリーキックももっとアウトにかけて蹴ってイイと思うんだけどね。日本人はインフロントばかりでしょう。アウトにかけたシュート、ブラジルやヨーロッパには結構多いでしょ。機会があったら、是非皆さんもその映像を探して見てください。 ただね、ちょっとグループリーグ突破は厳しそうだな。次は14日にアルゼンチンと、17日にドイツと対戦するのだが。 アルゼンチンにはできるだけ大量得点で勝って、ドイツには何とか引き分けに持ち込むか、負けるにしてもできるだけ失点を抑えてイングランドとの得失点差のグループ2位争いに持ち込むかだな。 12日は早朝3:00に起き出して、フル代表のスイス戦を観戦。 ご存じのようにまるでゲームのような展開で、前半0-2から追いつき逆転し、追いつかれ、ロスタイムの決勝ゴールで4-3で勝ってしまったのだが、 勉強になったよ…何がかというと、スイスの前半の素晴らしいパフォーマンスが。 4バックの綺麗な最終ラインと押し上げと見事なラインコントロール、それに伴うコンパクトな中盤、中盤の激しくプレッシングするわけではないけれども巧みな味方同士の距離および相手ボールホルダーに対する距離感と位置どり、そしてプレスに行くタイミング…これが巧みなので、中盤ディフェンス(プレッシング)による余計な疲労が回避されるのではないか。 それと、機を見た両サイドバックのスピード溢れるオーバーラップ。 どこぞのナショナルチームのようなモタモタ感やモヤモヤ感はないし、オーバーラップしたらキッチリと鋭いクロスをあげる。クロスだけではない、中に切れ込んでのシュートも放つし、中央付近まで進出もするし、周囲の味方を使いながらペナルティエリア内にまで突進して来ようかとする…素晴らしい。 現代フットボールにおける4バックのサイドバック攻撃のお手本のようなもの。サイドバックからの攻撃を柱(の1つ)にするなら、あぁじゃなくちゃ、ね。 日本チームの加地と駒野も勉強になっただろう。試合中にその学習が生きてる感じはしなかったけどな。 この試合で勝ったからといって何でもない。もちろんどんな試合であれ、フル代表が国際Aマッチで勝ってくれるのは気分悪かろうはずはない。精神衛生上でも結構なこと。おかげで12日は一日気分が良かった。 ただね、スイスもあくまでテストマッチとして臨んできていて後半は多くの選手を入れ替えて試していたし、それによってスイスの組織性が低下していたことを忘れてはならない。昨年のワールドカップで4試合で失点0だったスイスから4点も奪った…などと喜ぶことはできない。 あと、この試合では4-2-3-1のフォーメーションで行きそうで、しかも2列目に山瀬が入りそうだと事前に情報を得ていたので楽しみにしていたのだが、2列目は中村俊輔、遠藤、松井の顔ぶれだった。 私は3トップ気味がよいと思っているので、1トップの下に2列目が3人並ぶ形はイイ感じだ。 だが、2列目には1トップに絡むシャドーストライカー(もしくはセカンドストライカー)的な選手が入らなくては1トップが孤立するだけ。シュートも放てない。そして少なくとも中村俊輔と遠藤はそのタイプではない(中村俊輔はセルティックで、ペナルティエリア内に切れ込んでいってゴールを奪う意図を強くしてプレーしていることはわかるが)。 前回も書いたが、日本の中盤も、中村俊輔、遠藤、松井、鈴木啓太、稲本、中村憲剛、山瀬…といった例えばこの7人分の能力を4人か5人で持つことができたら、もっとイイんだがなぁ。 12日夜はU-22のオリンピック予選。グループリーグ首位を争うカタールとのホームでの一戦。もちろん、是が非でも勝点3ポイントを取らなくてならない試合。 結果は予定どおり3ポイントを積み上げることに成功した、が…とにかく勝てばよい試合なので内容は二の次とは言え、 しかしU-22日本チームのグデグデは変わらず。1-0で勝てたのが不思議なハナシ。あれなら1-3で負けてても仕方ない。 以前「もしこれで最終予選を勝ち抜けたら、それは同じグループの他のチームがヘタレだということだ」と書いたが、おかげさまで他のチームはヘタレの模様で実は幸運なグループだったのかもしれない。 近年は日本チームに対してアジア各国が非常に警戒してくれてるので、それで余計に相手チームが自分のゴールチャンスにヘタレになってくれるのかもしれない。それでこの試合も何度助けられたことか。 ま、ともかく3試合を終えて勝点7ポイントまで積み上げた。残り3試合(うち2試合はアウェイ)で、来月のアウェイでのカタール戦を勝てばほぼ決まり、勝てなくても負けなければかなり出場権獲得に近づくのではないか…と書けば順調のように思えるが、 やっぱりチームづくりはダメダメだ。 どんどんJリーグの降格争いをするチームっぽくなってくる…アルビレックス新潟を率いていた反町監督だけあって(?)それは仕方ないか?(今シーズンのアルビレックスは現在5位と好調だが) ところがこのチーム、なぜかアウェイでは結構負けないような気がするのも不思議なところだ。 この試合では、先日(7日)のアウェイでのサウジアラビア戦からまたフォーメーションとシステムを変更してきた。サウジアラビア戦が3-6-1(1トップ+2シャドーだったので3-4-2-1と言ったほうがよいか)だったが、この日は4-3-3(?)ぽかったのかな。 ただし、従来の3バックのセンター3人をそのまま左にスライドして右サイドバックに内田を入れただけの変則4バック。左サイドバックもどき(?)の伊野波はサイドバックの動きではない。 フォワードは3トップ(?)のようだが、右の水野はウイングプレイっぽかったが、左の家長はウイングっぽくもなくシャドー的な動き。右サイドバックの内田のオーバーラップも窮屈そうだったし、何ともバランスが悪い。 日本と言えば中盤のクオリティとか中盤のプレスなんだけど、このチームに限っては中盤スカスカで、中盤で優位に立っている感じがしない。 相手選手に対するマークの受け渡しもスムースでないし。 そうそう、このチームでは家長がボールをキープしてくれるし密かなキーマンになっているという向きが少なくないようだが、 ゴールに向かうプレーが多くなくスピードもアップしていかないので、私はU-20の梅崎を使ったほうがよいのではないかと思っている。 それと、これもU-20の柏木がもっとチームの核になってきた時に、ようやくチームとしての連動性が生まれてくるような気がするのだが。 ところで、サウジアラビア戦のビデオを見直してみたが、あの試合の3-6-1も、自分たちのシステムをヴァージョンアップしたことによるフォーメーションではなく、相手のサウジアラビアの攻撃に対応するためのシステムであったように思え始めた。 それ自体が悪いことではない(しかし、相手チームのやり方に対応してフォーメーションとシステムを変える日本チームを見たのは実に久しぶりだ)。 だが、そういうことをやったかと思うと今度はカタール戦でやり慣れていない4バックにいきなりしてみたり(しかも内田を右サイドバックに入れた4バックはぶっつけ本番だ)本当にドタバタ。(4バックの準備はしておいたほうがよいのに、最終予選前のテストマッチで取り組まないので気になっていた)。 とにかく、ちょっといじり過ぎなんではないか。 間違っても日本選手の粒は悪くないのだから、もっとシンプルなチームづくりにしてはどうなのか。 反町監督なりには非常に策を練っているようだけどね。戦術オタクっぽいのが気になるが。 http://www.jsgoal.jp/news/00054000/00054366.html(カタール戦後の記者会見) もしこのまま順調に(?)ヘタレなグループリーグを勝ち抜いてオリンピック出場権を得たとしても、オリンピック本大会までには監督を交替してチームづくりをやり直すことを望みたいよ、まったく。 (2007/9/13) |