![]()
J1は6月23日・24日でちょうど半分を消化。6月30日に一斉に開催される9試合をもって1か月強の中断に入ります。 ガンバ大阪が、前回も触れたけど安定したパフォーマンスで首位をキープ。浦和レッズが2位で、この2チームが抜け出した形です。 レッズは内容は良くないけどね…それを打ち破れない他のクラブがちょっと情けないかなぁ。なにしろまだ、レッズに1敗しかつけられないんだもん(ちなみにガンバも1敗)。 ま、レッズは田中達也が戻ってきたのは大きいでしょう。トップでワシントンとコンビを組んで、非常にスピードのあってドリブラーでもある田中達也の存在は大きいね。これでまた(はっきり2トップになって)中盤の選手の数が減るので、ますます小野のスタメン出場は減りそうだね。私も小野が嫌いなわけじゃないんだ。これからだってひと皮剥けて欲しいと思ってる。 でもね、小野がスタメンでないほうがレッズの出来がイイんじゃないか、というのはサッカーファンの共通した印象であって。 この2チームのマッチレースになってしまっては面白くないのだが、そこに食い込んできそうなのが鹿島アントラーズかもしれない。序盤はモタモタしていたけど、ここに来てようやくチームのベースが固まり、ここのところ非常に好調。 ケガで出遅れた野沢が戻ってきたことが非常に大きいし(ブラジルの名門・サンパウロからやって来た、実は私も密かにどんなプレーを見せてくれるのか期待していた)、ダニーロをやっと外すようになった(使わなくて済むようになった)ことも大きい。 ダニーロのスピードじゃ、Jリーグでは無理だよね。 もちろんその前に、何年もかけてきた世代交代がようやく実を結び始め、中堅どころの選手たちが安定したプレーであるとか、試合に関わる仕事をできるようになってきたことが大きい。 国際的にも、世代交代というのは常に大きな鍵になるのです。 「現時点で最強」とか「常勝チーム」とかいったって、そのピークはわずか2年か3年程度のもの。その間も、次の世代を育て上げていかなくてはならないわけ。しかも勝ちながら、ね。それだけに常に優勝争いをしていたチームほど、世代交代が難しかったりする。 Jリーグでも、アントラーズと2強時代を築いたジュビロ磐田が全く同じ命題を抱え、ようやく中堅選手たちや若い選手たちへの移行が進みつつある。 アントラーズもジュビロも、世代交代に時間がかかり過ぎた感じもするが(本当はこの程度の世代交代は2年くらいで済ませたい)、それも今後のノウハウになっていくだろう。 ところで、アントラーズはスイスのバーゼルから中田浩二を買い戻すつもりらしいけど、必要? このまま世代交代を進めて行ったほうがよいと思うけどね。第一、どこで使うの?(小笠原はイタリアのメッシーナへレンタルだったので、他にオファーがなければアントラーズに戻るしかないわけだが) ジュビロについては、開幕戦を観た後で私は確か「相当ヤバイ。降格争いをしても不思議じゃない」などと書きました。 それが今や上位に名を連ねています…たいへん申し訳ありませんでした! 確かにシーズン序盤は準備不足というか、チームとしての戦い方が定まっていなかったけれども、その後徐々に戦いながらベースが固まってきて、6月23日の川崎フロンターレとの一戦を観戦したけれども、チームとして非常に明確な形ができていて、これからも結構イイ戦いをするかもしれない。 鍵は右サイドからチャンスメイクする太田。 本来は2列目とか2.5列目からのサイドアタッカーだったのだが、ほとんどフォワードの位置に張ってサイドを突破してくる。これに前田遼一が戻ってきたのが大きい。前田は私もU-20の頃から注目してきて、ずいぶん逞しくなったものだ。以前は、非常にテクニックはあるし、攻撃的なポジションはどこでもこなしそうな器用さやクレバーさはあったけれども、それが逆に物足らなさにも繋がりかねなかった気がする。それが、ジュビロのチーム事情(中山の後釜としてポイントゲッターになっていかなければならざるをえなかった)の中で徐々に逞しさやスキルを身に付けていき、今では相手ゴール前、シュートポジションへの入り方が非常に巧みだ。 トップの選手としては高さがあるわけでもないし、スピードがあるわけでもないし、物凄いシュート力があるわけでもないが、観ていて楽しめる。 そろそろA代表で、すなわち、間もなく開幕のアジアカップで観てみたいんだけどね。オシムもプレスに対しては前田のことをとっても褒めていたというけれど、もう一方で最終エントリーからは漏れるらしいという噂も入っているし、どうなんでしょうね。 川崎フロンターレの失速が話題になってきているけど、まぁこんなものかもよ、クオリティとしては。 ジュビロとの一戦を観ても、やっぱり選手のクオリティが違うんですよ。世代交代が円滑に進まなかったと先に書いたけれど、それでもやはり、アントラーズやジュビロの選手たちのクオリティは平均的に高い。 フロンターレは、アジアチャンピオンズリーグの戦いもあったし、その疲れもあるだろう。また、相手チームにスカウティングをしっかりやられて対処されるようになってきたので、特にサイドアタッカーが封じられている感じがする。 それとね、悪いけどフロンターレの最終ラインは穴。 3バックはいずれも高さも強さもあるんだけど、前からのボールには強いけれどもね。実は最終ラインは長らく改善されていないフロンターレの長年の課題と私は見ている。 6月30日の試合をもってしばらく中断になりますが、この間に建て直しを図ってくるチームもあるし、再開後のJ1は私は楽しみです。 おっと、中断期間中の7月7日・8日と14日・15日には決勝トーナメントに入ったナビスコカップのクオーターファイナル(準々決勝)がホーム&アウェイで行われるので、こちらも楽しめそう。 「アンチ・Jリーグ」の記事を張る人たちからは、“Jリーグはタイトルがいくつもあってわかりづらい”云々のイチャモンがつけられるが、全然わかりにくくないけど…リーグ戦があって、リーグ・カップ(リーグ戦参加チームによるカップ戦)が並行してあって、それと全くオープンなカップ戦(日本では天皇杯がこれ)があって…これって国際標準だけど。 その中でどれがいちばん権威と価値があるのかわからないのかな?…もちろんリーグ戦さ。それも万国共通不変の論理。 7月2日(月)は、週明けの朝からTVにかじりつくことになる。U-20ワールドカップの大事な初戦だ。 (2007/6/29) |