U-20アジア予選突破に一安心…&ナビスコカップ・ファイナル

心配してたU-19日本代表、無事アジア予選を突破して、来年のU-20ワールドカップへの出場権を獲得しました。フゥ〜良かった。アジア予選突破のかかったサウジアラビアとの一戦は、先日のU-16の時と違って他国のネット中継も見当たらなかったので、ネット速報にかじりついて90分注視してた。

今回、そもそもグループリーグが強敵揃い(下馬評でも「死のグループ」と言われてた)だったので、本当に不安だったのサ。その上、アジア予選を突破するにはグループリーグを勝ち抜いた後の、クオーターファイナルの一発勝負に勝たなくてはならない…アジアのレギュレーションはどうも納得が行かない。一発勝負には運・不運が左右する。運も実力のうち、とかいうモンダイじゃない、本当に実力があるチームを世界大会に送り出したいのなら、レギュレーションを考えるべきだ。何なら、一次リーグ、二次リーグにしてもイイじゃないか。

しかし、U-19日本代表、前評判よりも良いチームじゃないか。

攻撃がなかなかイマジネーション豊富だ。4-4-2のフォーメーションなんだが、中盤前目はワイドに開いて、いわゆる「トップ下」は置かず、中盤の深い位置の2人が、1人がアンカー役を、もう1人(サンフレッチェ広島の柏木)が積極的に前線に攻め上がって、ゴールを狙う。話はワープするが、中田英寿がイタリアでペルージャからローマに買われた時は、こういう柏木みたいなプレーが求められてたんじゃないの? 「トップ下」じゃないからといって、中盤の守備的な役目をやんないとイカンのじゃないかと、過剰意識が強すぎたんじゃないのかね。ま、そんなハナシはもういいや。

中盤前目の左右の2人も、かなり柔軟に動き回りポジションチェンジを見せるし。フォワードではアルビレックス新潟の河原が結構気に入った。クサビを受けて、サイドにはたく(その後猛然とゴール間にダッシュする…)そのボールがなかなかオシャレで、ああいうの好きだなぁ。あと、主に左サイドでプレーする大分トリニータの梅崎は、さすがにA代表にも選ばれただけあって、このクラスでは安定感と強さが一段上だな。右サイドバックの鹿島アントラーズの内田は、Jリーグでのプレーのほうがずっといいね。国際経験がちょい不足?

ただ、このチームには明確な弱点もあるね。

最大の弱点は、中盤でせっかく上手くボールを奪った後の雑なつなぎ。

選手たちも気にしてるみたいだけど。それと最終ラインの左サイドが集中的に突かれると危ないかも。梅崎が結構最終ラインまで戻ってしのいでいた場面が目についたけど。逆に最終ラインの右サイドは内田が結構攻め上がるのに、そのスペースを突かれるようなシーンはこれまで多くなかった。中盤底とセンターバックがカバーしてるんだろうけど。

もう1つ、中盤底の選手のポジショニングがイマイチだなぁ。

サッカーファンの間でも、ここまできたら優勝をめざせ、なんていう声が多いようだけど、私はね、優勝は別にどっちでもイイです。

先日のU-16だって、優勝は嬉しかったけれども、最重要なのは世界大会への出場権を得ることなんだから。


アジアでの優勝なんか、どうでもイイんですよ、ある意味。アジア仕様と世界仕様は厳然と違うんでね。これだけ「仕様」に違いというか差というか、区別をせにゃならん地域はアジアだけじゃないかね。
とにかく一安心。

11月3日のJリーグの「カップ戦」ナビスコカップは、ジェフ千葉が2連覇という結果に終わったけど、鹿島アントラーズも両方とも気合の入った良い試合だった。私のイチ押しの水野の活躍は嬉しかったが、あの先制ゴールの前、水野はクロスやラストパスばかり狙っていたので「シュートせぇ! 水野!」と私は怒鳴っていたのでした。

水野もそうだし、U-19の選手たちもそうなんだが、シュートをインステップキックで打つ(蹴る)時に、ややアウト(足の甲のやや外側)で蹴るシーンが増えているようで、とても嬉しい。

これまではどうも日本人選手にはその意識が希薄っぽくて、イン気味(足の甲の内側)に当たってゴールマウスを逸れて行くシーンを数え切れないほど見てきたのダ。ヨーロッパや南米じゃ、当たり前なんだよ、これ。強く低いシュートを放つことができるし、浮いたボールもふかさず(ゴールの上に打ち上げず)にゴールマウスをとらえることができるのですよ。

若い選手たちの意識は、こんなところからも段々どんどん国際標準に向かっていると思えないかい?

ところで、このファイナルのMVPは水野だった。ま、MVPなんてどーでもイイんだが、1ゴール・1アシストの水野が貰えるのは当然かもしれない。

でも、私は異論がある。日本ではゴールをあげた選手を安易に(?)MVPに選ぶ傾向がある。この試合のMVPは阿部勇樹でしょ。

守備、カバーリング、ポジショニング、1対1の競り合いにも強さを発揮。一見して華奢な体格っぽいけれども、これまでの日本の主な有名な選手たちよりも「対人」に強いよ。スタミナも充分。誰や誰と比較して、とは言わないけど。その一方で攻撃にも勝負強さを発揮して、この日もダメ押しゴールを叩き出す得点能力もある。機を見た攻め上がりは正に「リベロ」と呼ぶに相応しい。

中盤底を主なプレーゾーンとする選手たちや、ボランチと呼ばれる日本の歴代の選手たちの中でも、今や間違いなくトップクラスと思われる(そんな選手をドイツに連れて行かなかったんだからなぁ〜)。阿部がここまで到達すると、小野伸二は本当にフル代表では居場所がないね。(2006/11/7)