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10月11日のアウェイでのインド戦(アジアカップ予選)は、既に予選突破が決まっている中でモチベーションの難しい試合だった。ぶっちゃけ内容は酷かったが、やろうとしているフットボールは明確に見られたし、私としては好みのフットボールだね。大きなサイドチャンジも織り交ぜ、サイドから崩す、流動的にポジションチャンジを繰り返して空いたスペースに必ず他の選手が入ってくる…どちらかといえば中央突破が少々多い傾向にある(それはブラジル選手が多い影響か?)のJリーグのクラブにも好影響を与えるはず。 そういえば8月のA3(ガンバ大阪とジェフ千葉が出場)を見ていたときに感じたのだが、Jリーグのチームは(一旦サイドへ開きはするものの)サイドを深くえぐるのではなくて、ショートパスを繋いで中央突破でゴールに迫ろうとするが、韓国のチームは必ずサイド深くへ展開して、折り返してフィニッシュに持ち込もうとする、非常に明白な傾向の違いが見られた。また、日本の選手のやり方は、サイドへ一旦開くにしてもまずはとにかくトップの選手に当てる、という結構ステレオタイプな展開が多かった。 オシムも言っているらしいが、フル代表のフットボールがその国のモデルになっていくようになって欲しいね。 代表レベルでも、フル代表→U-23→U-20→…と、貫くフットボールの基本コンセプトが統一されているのが当然だ。ジーコ監督時代にはそれが完全に欠如していたと言わざるをえない。それは日本サッカー協会の重大な責任であり瑕疵だ。 Jリーグは今年は優勝争い、降格争い、J2からJ1への昇格争い、それらのいずれもがいくつかのチームに絞られてきた感がある。ま、こういう年もあるでしょう。 10月21日には、浦和レッズと川崎フロンターレの優勝争いの一戦が行われて、なかなか見所の多い試合となったが、この試合でいちばん面白かったのは監督采配。レッズの左アウトサイドの三都主が、フロンターレの右アウトサイドの森に決定的にやられると、ブッフバルトは早い時間帯に三都主を下げて相馬にチェンジ。そう、相馬のほうが「使える」んですよ。当然オシムは知ってるだろうが。日本人監督ならそういう判断はできないだろうな。 もう1つ、こっちはもっと興味深かったシーンで、小野を途中交替で投入しようとした場面。この日のレッズはワシントンと田中達也をトップに、その下にポンテ、山田、さらにその下に鈴木啓太がいる中盤構成だったが、普通に日本人監督だったら、小野を入れるんなら山田あたりに替えるんだろう。さ、ブッフバルトは日本人監督並みかどうか、私の興味は物凄く高まったのだが…ポンテと山田はこの試合での出来では下げるべきじゃない…じゃ、スペースを見つけられないでいる田中達也を下げるのか? と思っていたらビンゴ! 本当に田中達也に替えて小野を入れてきた! やっぱしブッフバルトは日本人監督とは違った。監督としては国際的な実績があるわけでもないブッフバルトでもね。 でもって、なんで小野なの? と私は思ったけど、その小野が結構悪くなかったんだよ。ワシントンの周囲を動いて(どうせそんなに動き回るわけじゃないけど、小野にしては、ということね)。 小野の使い方が見つかった感じだ。つまり、相手の運動量が減ってスペースができてきたときに、中盤ではなく前線で使う。 小野にはもちろん物凄いゴールセンスやスピードがあるわけではないし、個人でドリブル突破できるわけでもないが、トリッキーなパスや技術が生きるし、味方も疲れてきた中で、それをタメや攻撃のイマジネーションに活用して攻撃を活性化できる。ほぉなるほど。このところのレッズの試合を観ていて、小野の居場所はないねぇ〜と思っていたので、新しい発見だった。 フロンターレの関塚監督も、森が相馬によってフタをされると、この試合ではイマイチだった左アウトサイドのマルコンを下げて井川を右アウトサイドへ投入して、右アウトサイドの森を左に回して最後の攻勢をかけてきた。どうしてももう1点が欲しい時に、並の監督だったらフォワードの数を増やそうとする。もちろんそのためには誰かを下げなければならない…この試合の流れからして、それは非常にできにくい…難しい思考と判断だと思うが、関塚監督もさすがだった。 ところで、横浜F・マリノスの山瀬のゴール見た? 10月21日のアントラーズ戦のゴールじゃなくて、その前の14日のガンバ戦でのゴール。左からの横パスに、マーカーにぴったり付かれていたのを、相手を背に置きながら反転しながらキープ、そのままペナルティエリアの外からズドン! これ、ワールドクラスだったよ。見逃した人は「J's GOAL」(Jリーグファンサイト)http://www.jsgoal.jp/ のAmazing GOAL!のページででも見てくれ。 あと、フル代表のフォワードで試して欲しい選手といえば、ジュビロ磐田の前田だよね。U-20の頃から見てきているけど、随分逞しくなったものだ。 オランダから帰って来た平山? 22日のFC東京VSガンバ大阪の試合観た? U-21代表の中国戦にスタメンで使う気かもしれないが、Jリーグの試合を観たらそんな勇気は普通出てこないはずだけど。 しかしガンバ戦、0-2からあっという間に3-2に引っくり返した、FC東京としては「こたえられない」試合になったね。 FC東京には今野だけじゃなく、石川だの徳永だの梶山だの伊野波だのじゃなくて、平山を下げて投入した馬場とか鈴木規郎とか、とっても良い選手がたくさんいるじゃないか。 ガンバ戦の鈴木規郎のゴールとアシスト見ればわかるでしょう。なんで平山なんか(無理に?)使って、面白くもないフットボールやってんだろ。 さて、今月29日からU-19のアジアユース選手権が始まる。先月はU-17が世界大会への出場権を獲得(そして優勝も)したばかり。U-20は必ず世界大会へ出場してきているので、今回も出場権を逃すわけにはいかないのだ。それがね〜心配なんだよな、U-19代表。開催地は先日フル代表がインドと戦ったバンガロール。 そうそう、イタリアのメッシーナの小笠原が、セリエA初ゴールを決めたそうで。ネットで映像を見たけど、中盤(センターサークル付近)から自分で組み立てて決めた、なかなかにゴラッソな得点だったゾ。(2006/10/25) |