結構面白かったフル代表のガーナ戦

10月4日には、日産スタジアム(横浜国際総合競技場)でフル代表のガーナ戦が行われ、0-1で負けたけど、私としては面白い内容だったよ。今はチームのベースを構築している段階。だから勝敗よりもどんなフットボールを築こうとしてるのか、そのほうが何倍も重要だ。チームのベースには、選手層の厚さも当然含まれる。クラブ単位では国際試合の経験が積みにくい日本では、こうした代表の試合で新しい顔ぶれを起用していくのはとても大事なことだ。もともと能力やスキルの高い選手は、Jリーグにもたくさんいるのだから。


それがね、ヤレ知らない選手ばかり選ぶから観客動員が悪いとか、視聴率が取れなくなってきているとか、マスコミは騒ぎすぎ。

そうやっておとしめようとするのは何の意図があるんですか? と聞きたくなるね。大衆を誘導しようとしても、サッカーファンはそうはいかないし、今ではもうインターネットでの情報網もある。そういう周辺の話題を拾い上げてネタ探しするよりも、肝心のプレーや中身を論じる腕を磨いてくれ。>日本のスポーツマスコミ

観客動員力だって、新横浜に平日に5万2000人以上動員してるし、視聴率については4日はいつもよりちょっと低かったけど、裏も強力だからね、番組改編期で。

日本のフォワードの、ゴールマウスをこじ開ける能力やスキルには相変わらず萎えますが、守備のほうは前より随分イイね。宮本がディフェンスラインのセンターにいたら、あんなにボールを奪えないだろうとか、宮本だったらあそこでズルズル下がるだけだろうとか、宮本はあんなにサイドまで出て行かないだろう(サイドまで相手選手を追い出して行かないだろう)とか…ま、そういうことです。

1週間前(ガーナ戦前)のJリーグ(9月30日・10月1日)の話で恐縮ですが、川崎フロンターレVSサンフレッチェ広島の試合をスタジアム観戦して、ヴァンフォーレ甲府VSガンバ大阪の試合をTVでライブ観戦しました。

フロンターレVSサンフレッチェは点の取り合い(3-3のドロー)で観戦に来た人には面白かったと思うけど、やっぱりどちらも守備が下手クソだなあ。

特にフロンターレ。最終ラインの前で早いパス交換されると、もうついて行けない。棒立ちになってスルーパスをスパスパ通されるし、裏に走り込んだ選手をフリーにしてしまう。サンフレッチェのほうが、随分マシでスペースを上手く消していたけれども、それが90分続けられるものではない。特にフロンターレが攻勢をかけてきたところでは、どうやってそれをはね返すのか、その辺りの逞しさが足りないというか。日本のフットボールの構造的欠陥を垣間見て来ましたとサ。

ヴァンフォーレVSガンバは、ホームのヴァンフォーレがここまで首位のガンバに黒星をつけてしまったのだが、地方のクラブが観客と一体になってビッグクラブに挑んで打ち負かすという、絵に描いたような面白さを体感させていただきました。こういうのをたとえTVでも見ると、サポーターでもない自分とは関わりのない土地のチームであっても、フットボールってメチャ面白いなぁ〜って思うよ。

勝たないと観客は増えない、としたり顔で言うだけの人は多い。ヴァンフォーレの大木監督は、<負けても面白かった、また是非観に来たい>と思ってもらえる試合をしたい、と言う。それは地方のクラブの本懐みたいな名言だよ。

ヴァンフォーレも一時は潰されそうになったクラブ。それを立て直した話が最近某誌に掲載されている。私も読んで泣けてしまった。

内容はこちらで見られます。(SOCCER UNDERGROUND BLOG)

潰れそう・潰されそうになったクラブとか、2部に降格してはい上がって来たクラブとか、そういうクラブ(だけ)が、本当に地域住民と一体になれるし、地域と密着したマネジメントができるのかもね。だから、大都市でパッとしないクラブは、一度荒療治にさらされたほうがよいのではないかね。どことは言わないけど。

ところで、鹿島アントラーズで小笠原がイタリアのメッシーナへ移籍した後、ゲームメイカーとして目立っている野沢について「どうなの?」と聞かれるんだけど、野沢は非常にイイ選手ですよ。ゲームメイク能力も高いし、シュートも上手い。もっと早く頭角を現して欲しかった選手。私なんか、何年も野沢はまだか〜って思ってたんだけど。

それから前回は清水エスパルスの枝村を推しましたが、ジェフ千葉の水野も注目してます。代表チームでは枝村と同じくU-21が舞台になるだろうが、フル代表のガーナ戦を見ていたら「水野呼べ〜、水野〜」って言ってしまったゾ。(2006/10/8)