ファイナルはイタリアVSフランスに

もう1つのセミファイナル、ポルトガルVSフランスはPKの1点でフランスの勝利。これで7月9日のファイナル(決勝)はイタリアVSフランスに、8日の3位決定戦はドイツVSポルトガルに決定しました。

ポルトガルVSフランスの一戦、両チームとも流麗なパスワーク、巧みなドリブルやボールキープとパスワークとのブレンドをウリにするだけに、その攻防を楽しみにしていたのですが…もちろんそれは楽しめたのだが、正直言うと、もっともっと白熱の応酬になるかと思ってたんだけど。これも前半30分過ぎの微妙なPKの影響だろうか。

あれはウ〜ン、確かにアンリは足を引っ掛かけられているけれども、ダイビングっぽかったように思うし、あれくらいはねぇ〜…張り詰めた試合での結構早い時間帯でのPKが試合のリズムや選手の心理状態を左右することってあるからね。それがどっちに触れるかというのも、その時その時で違ってくるし。この試合では、ますます淡々と(←表現が適切じゃないかも)、フランスにしてみれば残された時間を堅く堅くゲームコントロール…のほうに触れちゃった感じだろうか。

しかしまぁ、フランスの守備は時間が経過するにつれてますます強固になっていくね。決勝トーナメントに入ってからずっとそうだもん。グループリーグ突破が危うい、なんて書いてごめんなさいでした。

イタリアとのファイナルは一体どんな展開になるか、ちょっと予測つかない気がする。前半の展開によって大きく変わってきそうな感じもするし。

ちなみにこの顔合わせによるファイナルは、2000年のヨーロッパ選手権と同じ。あの時は、フランスが1998年のワールドカップを地元優勝して、それに続いてヨーロッパ選手権も制した。ワールドカップ→ヨーロッパ選手権の連続優勝という偉業は史上初の出来事だったのだった(ヨーロッパ選手権→ワールドカップは、1972年のヨーロッパ選手権→1974年のワールドカップという例が過去にある。ベッケンバウアー率いる西ドイツによって)。

あの時のフランスもジダン。そしてワールドカップ優勝時よりも完成度が増したフランスにイタリアは逆転負けを喫したのであった。

さてさて、今度はどうなる?

ちなみに、ヨーロッパ選手権って、ワールドカップ以上に内容的に面白いことを保障しますよ(次回のヨーロッパ選手権は2008年開催)。

だって、今大会でのヨーロッパ各国の充実ぶりを見れば想像つくでしょ? 気候が合ってコンディションが良ければ、ヨーロッパ各国のパフォーマンスは全然違うわけですよ。それに、ワールドカップに出場できなかった良いチーム、強豪チームもたくさんあるからね。この秋には、早速ヨーロッパ選手権の予選が始まるのです。ヨーロッパ選手権予選も楽しみだなぁ〜。

ね、こんなにガチで水準の高い試合に始終恵まれているんだから、ヨーロッパも南米も。日本も本当にそういう試合ばっかし積んでいかないとイケナイのだよ。「日本代表戦」という「興行」ばっかしやってないでね、いくら人気が高いからといってもね。

1か月にわたって繰り広げられてきたワールドカップも、いよいよこの週末がクライマックス。

日本代表4年間の総括(その10)…代表監督の任期

日本サッカー協会は、どうも代表監督の任期を最初から4年間とか長期契約を結ぶ傾向にある。新しい監督はイビチャ・オシムにどうやら決まりそうだが、オシムにも4年契約を提示し、オシムのほうから2年契約を返されたと聞いている。まず2年間仕事ぶりを見てもらってそれで納得すればさらに契約延長してくれ、というのがオシムの考えなのではないか。

私は「プロ中のプロ」「監督としてエキスパート」のオシムらしいスタンスだと思うし、私も常々(1年ではさすがに短すぎるだろうから)2年くらい任せてみて、それから延長するほうが良いのではないかと思っていた。

日本サッカー協会としては、腰を落ち着けてチーム作りに取り組んで欲しいという気持ちがあるのだろうが、もはやそれよりも、段階段階でキッチリ仕事ぶりやチームの質・内容を分析し確認し、それからさらに契約を延長すればよいことだ。最初から長期の契約を提示するのは、日本サッカー協会として代表チームの方針や方向性やコンセプトに自信やビジョンがないからではないのか? だから、監督に「長期間お任せ」になる。仮に監督が交替しても、代表チームの方針や方向性やコンセプトが明確であれば、基本的にそれに沿って新しい監督がチーム作りや強化を進めて行ってくれるはずだ。「プロフェッショナルな」監督であれば。

そもそも、代表チームのコンセプトが存在していて、それに合致した監督を選んでいるんじゃないのかね? どうも、そういう辺りがまだまだ日本サッカー協会のほうがプロフェッショナルじゃない感じがつきまとうのだ。

選手たちはプロになった。でも、その国のフットボールをまとめて舵取りをする協会のほうはまだアマチュアなのではないか?

ジーコがトルコの強豪チーム、フェネルバフチェの監督に就任するとか。

監督としてのオファーがあって良かったね、と言いたいです。皮肉ではなくて。だって、日本チームのあんな試合内容では、ジーコにオファー出そうと思っていたチームでも止めちゃうじゃないかと思っていたから。

ジーコについては、数多くの批判を書いてきました。

でも、ジーコは彼なりに精一杯やってくれたとは思っています。現在の彼が「素人監督」としてやれることは精一杯やってくれたと思うし、持っているものはおそらく全部出してくれただろうと思います。そのことは、本当にそう思っています。

だから、ジーコが悪いわけじゃないのサ。
ただ、ジーコありがとう、とは言えないけど。(2006/7/6)