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ブラジルVSフランスが決まった時、実は結構少なくないサッカーファンがブラジルの敗退を予測(予感?)していました。別にブラジルがフランスを苦手としているとか、そういうのではありません。顔合わせから来る雰囲気というか予感というか、そういうものでしょうか。案の定、ブラジルは本来の力を充分に見せることなく、大会を去って行くことになりました。 スコアは1-0。試合全般を通して、ブラジルが攻撃している時間のほうが長い試合。でもブラジルのゴールが生まれる空気は希薄でしたね。決勝トーナメントに入って格段に集中力を増したフランスの中盤から最終ラインの前に、スペースを消されて思うような攻撃が組み立てられなかったのでは? 再放送も見てみましたが、フランスのディフェンスは本当に磐石。 世界最高クラスのテクニシャン揃いのブラジルに対して、1対1でも負けやしない。ディフェンス網が崩れない…一瞬崩れてもすぐに元に戻るし、それは崩れたというよりも網をブレイクして積極的なディフェンスを仕掛けて行ったという感じのほうが強いかも。それに、引きこもって守ってばかりいるわけじゃない。鋭いカウンターで手数をかけないでブラジルのゴールに迫る。これがあるからブラジルも後ろを気にせずに猛攻を仕掛けるわけにはいかないのではないか。 フランスが素晴らしかった。 ブラジルに悔いが残るとしたら失点シーン。ジダンのフリーキックに4人が飛び込んで来たのにブラジルは3人で競っていたし、ゴールを決めたアンリはその4人のさらに外、いわゆる大外(おおそと)から飛び込んで来て合わせた。これはやられたね。 ロナウジーニョ…バルセロナで見せているパフォーマンスは今大会影を潜めていたか。ロナウジーニョの大会になるとも言われていたのだけれども、逆にブラジルの豪華絢爛な攻撃陣の中で、彼のパフォーマンスを発揮する「スペース」が上手く見つけられなかったのかも。 いずれにしても、今大会最強のチーム力と思われたブラジルは姿を消した。 そして、これも多くのサッカーファンが予測しているように、ファイナルはドイツVSフランスに本当になってしまうのか? もう1つのクオーターファイナル、イングランドVSポルトガルはPK戦の末にポルトガル。前半45分の試合展開からしてスコアレス(0-0)で推移するような気がしたら、ホントそのまんま120分戦い抜いた。イングランドにとってはルーニーの退場も痛かったけれど、ランパードとジェラードがプレミアリーグで見せている爆発力を発揮できなかったのが大きな要因の1つかも。この2人がPK戦で失敗したのが、象徴的かもしれない。 セミファイナルはドイツVSイタリアとポルトガルVSフランスの顔合わせに。7月9日のファイナルの顔合わせは一体どうなる? 日本代表4年間の総括(その8)…若い選手の起用から始めなくてはならない新チーム ワールドカップは若い選手を場数を踏ませるためのものではないので、本当に使える選手がいなかったのなら、若い選手を連れて行かなくてはならないわけではない。でもジーコの日本代表は、誰が見ても充分な選手選考がなされていたとも思えない。ただ、選手選考においてもジーコの信念があったのだろうから、もうイイよ(もっともJリーグもロクに見なかったし、見事なくらい関東近辺のJリーグの試合しか観に行かなかったのはホント徹底してた)。 マスコミは、小野や高原や稲本に代表される「79年組」を「ゴールデンエイジ」などと呼ぶ(確かに彼らはU-20ワールドユースで準優勝した)。そしてその次の世代は「谷間の世代」などと呼ばれている。その「谷間の世代」から今大会のメンバーに選ばれたのが駒野と(追加召集された)茂庭だけであり、この2人だってもう24歳なのだから(2003年アテネ・オリンピック代表)もっと若い選手が出て来ないといけない。中田英寿が初めてワールドカップへ出場した時には21歳だったのだから。 粒が揃っていないわけではない。「谷間の世代」とかナンとか、そんなものは関係ない。いろいろ意見もあるようだが、若い選手たちの力量や技量はJリーグ設立当初よりも格段に向上していることは間違いないのだ。それでいても花が咲くのが諸外国と比べて遅めの日本人選手(それにはまた複雑な要因があるように思うが)…「場」や「機会」をどんどん与えてあげなくては、伸びる芽も伸びやしない。要は、使ってあげなくては何にもならないということだ。 8月上旬にはすぐに新チームの試合が2試合組まれている。新監督が誰になろうとも、おそらく若返りに着手することだろう。それはとっても楽しみだ。(2006/7/2) |