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ワールドカップの試合日程も、クオーターファイナル(準々決勝)を前に2日間中休み。私も休んでしまいました。今日から再開しますネ。 いよいよクオーターファイナル…多くのサッカーファンが、ありうるかも、と予測していたとおり、アルゼンチンがドイツにPK戦の末に敗退。ワールドカップは魅力あるチームが勝ち進むわけではない…その典型的な例がまた1つ。選手のパフォーマンスを見ていても、アルゼンチンの選手のほうがクオリティが上だもんね。それは明らか。でも、こういう結果になってしまう。 でもね、クオリティの高いチームが力を出し切らないで消えて行ってしまう場合は、何かそこに原因なり要因がある。ドイツ戦のアルゼンチンは、クレスポやリケルメがあまり機能できなかった。ドイツが上手く守ったとまで思わないが。 その彼らを交替させるのはベンチワークとして間違いだったと思わない。クレスポに替えてフリオ・クルスを前線に入れたが、それによって確かに、まずはフリオ・クルスにハイボールを合わせる攻撃が増えたけれども(それは、それまでのアルゼンチンのパフォーマンスから比べるとひどくツマラナイものに見えたかもしれないけど)、それによってゴールに迫るシーンも生み出せた部分もある。だから、フリオ・クルスの投入が悪かったとも言えまい。 だが、メッシやサビオラというカードを残したまま消えて行ってしまうのは、これはやはりもったいなかった。 ドイツの攻撃もイマジネーションあるものでもないし、ドイツのディフェンスラインも相変わらず危なっかしいし、メッシを起用してみてはどうだったのだろうか。ま、ゴールキーパーの負傷交替でカードを1枚余計に使わざるをえなかったのがイタかったかね。 ドイツ…やっぱり何とか試合終盤に追いつくんだ。ゲルマン魂だか何だかわからないが、これは本当に凄いよね。こんな創造性のない攻撃やテクニックじゃアルゼンチンがそれほど脅威もなく守り切れちゃうんじゃないか…開催国どうするんだよ? …と思っているところに同点ゴールだもん。本当、ドイツにはこういう光景を過去幾度となく私たちは見せられてきた。そして今大会でも。 これでセミファイナル(準決勝)のカードの1つはドイツVSイタリアに決定。地元のドイツがファイナルへ進出してしまうのか? 日本代表4年間の総括(その7)…一体どんな風に組織性が欠落していたのか? 「個を生かした自主的・自立的なサッカー」を標榜して惨敗を喫した日本代表。そう標榜しながら、「個の力が足りなかった」と終わってから言うなんて、日本サッカー協会会長もジーコもどうかしている。そんなのは「欺瞞」のほか何物でもないだろうよ。 そして組織性もなく戦術もなかったジーコの日本代表…フォワードの問題ばかりが問題視されているが(フォワードばかりじゃなく守備の問題にも目が行っているとしたら、アナタは素晴らしい。見る目アリ!)、そんな単純な問題じゃない。ちょっと代表的な所をカンタンにまとめてみようか。 まず、ディフェンスラインが低すぎて(深すぎて)ラインの押し上げがない…そのため中盤でのプレスがかからない。そのために、ロングボールを放り込まれるし、それによってズルズルとますますディフェンスラインが下がり、自陣ゴール前に「へばりつき」状態になってしまう… よって、いわゆるバイタルエリア(最終ディフェンスラインの前のゾーン)を使われまくり、シュートはガンガン打たれるわ、ゴール前から押し返して行けない…。 また、ディフェンスラインが低すぎるあまりに前線からディフェンスラインまでが間延びしてしまい、その広大なスペースを埋めるために中盤の選手が走り回るハメになって余計な体力を使わされてガス欠になる…。 簡単に言ってしまえば、こんな図式だ。これは4-4-2のフォーメーションだろうが3-5-2のフォーメーションだろうが関係ない。根本的な問題(欠陥)なのだから。しかも、これが現代フットボールにおいてなされていることが摩訶不思議。何十年も前のフットボールみたいだもん。そりゃ、日本のフットボールは退化してんじゃないか? って多くの人が思うだろうよ。 で、これはもうずっと前からわかっていたこと。例えば2004年のアジアカップでも、そういう試合内容だったわけ、アジアの国々に対して。それでも何となく勝ってしまった(優勝しちまった)。でも、あの時から誰の目にもかわるくらい顕在化した根本的欠陥であったわけ。それを丸2年放置したままワールドカップ本大会にまで臨んでしまった。 アジアカップで優勝などしないほうが良かったね。そしたら監督交替という線も出てきたかもしれないから。 そう、ジーコの日本代表は戦績としては悪くないのだ。だから厄介だった。それを「結果を残している」としか見て取れないから、こういうことになる。「結果」も、何の(どのレベルでの)結果なのか。結果だけにとらわれていては、いちばん肝心な所でこういう惨敗を招く。単なる結果だけでなく、その「中身」はどうだったのか「内容は」どうなのか…そこを見られる「目」が我々にも必要。 こういった組織的な欠陥以外にも、総決算のワールドカップ本大会において露呈したのがチームマネジメントの問題だ。 初戦のオーストラリア戦なんか、試合のマスタープランなりビジョンが明確だったのかどうかが疑わしい。これは監督としての場数や経験のなさからも来ている部分があったか。しかし、仮にワールドカップ初体験の日本人監督が臨んでいたとしても(試合結果はともかくとしても)もっと考えた練った戦いをしたであろうことは想像に難くない。 選手のモチベーショの引き上げ方はどうだったのか。聞けば、レギュラー組とサブ組とが練習内容が違うそうじゃないか。それじゃ「サブ組」のモチベーションは上がらないし、不意に試合に投入されても周囲の選手と噛み合うわけがない。 ジーコが日本選手たちに教えてくれたことは確かにあるだろう。だが、監督ではなく、「総監督」とか「テクニカルディレクター」とか、違った角度から見て助言をしてもらうという形のほうが良かったことは間違いない。(2006/7/1) |