長持ちさせる、靴のお手入れの仕方

いい靴を履いていると、それだけでその日一日いいことありそうな気がするから不思議です。お気に入りの靴はなるべくずっと履きたいもの。今月は、Saint Tropezプレスの塚本淳子さんに、靴についてのお話を聞いてみました。

LADYWEB 靴はちょっとお値段が張ってでもいいものを履きたい方が多いと思うんです。なるべく長く履くためには、どんな風に履くのがいいのですか?

塚本 やはり、同じ靴を毎日履くのは避けて欲しいですね。1日履いたら、次の日は休ませて数足を交互に履くのが理想です。帰ったら、その日のうちにブラシをかけて、ほこりをとってください。牛の表皮のパンプスなどは、レザー用の汚れ落としがありますので、さっと汚れを落として、できれば靴墨で磨くところまでやってもらえると、本当はいいんですけどね。

LADYWEB 各素材別に手入れで注意することってあります?

塚本 そうですねえ、爬虫類ものは爬虫類専用のクリーナーがありますので、それを使って頂いて。ハラコ素材は毛並みに沿ってブラッシング、起毛素材の裏側、バックスキンなんかもブラシをかけてください。雨の日に履くこともあるかと思いますので、撥水加工のスプレーをかけてもらえばOKです。

LADYWEB 靴みがき用の道具って、ブラシと靴墨しか持ってないんですが、東急ハンズみたいなところや、大きな靴屋さんなどに、いろんなお手入れ道具を探しに行くのも楽しそうですね。

塚本 あと気をつけて欲しいのが、パンプスのヒールの先に黒い部分がありますよね。これ、リフトって言うのですが、ここが半分ぐらいに減ったら、靴修理やさんで交換するようにしてください。リフト部分は簡単に、わずかな金額で交換できますが、これが削れてヒール部分にまで達してしまうと、修理がすごく難しいんです。ヒールがめくれてたり、変に減っていると、どんな素敵な洋服を着ていても、後姿が台無し。あんまりリフト交換されている人って少ないんですけど、長く履きたかったらこれだけは心がけて欲しいですね。

LADYWEB 結構、駅の階段とかで、前に歩いている人の靴のかかとって目につきますよね。やっぱり、すごくかかとが磨り減っているブーツを履いている女の子とか見ると、だらしなく見えちゃう。

塚本 あと、皮底のものは減りやすいし滑りやすいので、おろす前に底張りしてもらうと長持ちしますよ。

LADYWEB 靴を買うときに、どんなことに注意したほうがいいですか?

塚本 そうですねえ、パンプスなどはストッキングで履くかタイツで履くかでもずいぶん違うので、合わせたいものを履いて試し履きしたほうがいいですね。それから、よく足幅が広いから、と1サイズ大きいものをお求めになる方がいますけれど、基本的に皮はのびますから、そんなに横幅って気にしなくても大丈夫なんです。多分皮が慣れてくると、かかとに指一本入ってしまうぐらいゆるくなってしまうはず。だから、多少きついなと思っても、どちらかといえば足長がジャストのものを選んだほうがいいです。最初はきつくても、少しずつ慣らしていくうちに、足にぴったり合ってきますから。あ、でもこれは外反母趾など、病気の方にはおすすめできないんですけど。サイズ的には、パンプスなどかかとまである靴はジャストサイズ、ミュールやサンダルなどかかとのないタイプは5mmぐらいかかとが出る、少し小さめがかっこいいといわれています。

LADYWEB つい、足幅で選んでしまって、確かに慣れてくるとぶかぶかで履けなくなることあります。足長が大事なんですね。

塚本 おばあちゃんの知恵袋じゃないですけど、昔の方がよく「靴は夜おろすな」といいましたよね。足は指の付け根の部分が一番汗をかくのですが、午前中が一番汗の分泌が多く、夕方はあまり出ないんです。皮は人の汗で伸びます。つまり、夜、靴をおろしても汗の分泌がないので、いつまでも皮がなじまずきついままなんです。足もむくんでますしね。でも、朝からおろせば、汗で皮がなじみやすいというわけで、夜おろすな、と言われているんです。

LADYWEB きちんと理由があるんですねえ。そういう理由とは知らなかったです。

塚本 大人の女性を演出したい場合でも、流行の靴を選んでいただくのもかっこいいと思うんです。ある程度自分のスタイルができあがってきている方が多いでしょうし、洋服に流行を取り入れるのは気後れがするかもしれません。でも、だからといって、まったく流行と無縁というのも淋しい気がします。せっかく、心浮きたつ春ですから、レディライクなハイヒールでお出かけしてみてはいかがでしょうか。