まず、写真を撮るときに、自分にテーマを与えてみてください。目的を明確にすることで、掘り下げた写真が撮れるようになります。今ひとつ何かが足りなくて、うまく写真が撮れない原因のひとつに、対象を漠然ととらえすぎて、一体どこをフォーカスしているのかがわからない、ということがあります。そのために「テーマ」が必要になってきます。例えば、あなたが友人を撮る場合、あなたがその人らしさを感じるのは、一体どの部分なのか、考えてみてください。そして、何を伝えたいのか。この人は、甘いものを食べているときがもっとも幸せそう、とか、子供を前にするととてもやさしい表情になる、とか、対象のどこの部分のキャラクターを出したいかで、ずいぶんと写真も変わってきます。その時の一番いい表情をとらえるためにも、感性を研ぎ澄ませるbことは、とても大事なことです。
それから、一般の方の写真は、いろんなものが写りすぎて、本当に撮りたかったのがどれなのかわからなくことがあります。例えば、「キレイなもの」をテーマに戸外へ写真を撮りにいったとしますね。野原で一輪だけキレイな花が咲いているのを、あなたは見つけました。ここで、野原も含めてただ漠然と撮るのでは、一体あなたが他の人に何を伝えたかったのかがわかりません。一歩前に出て、キレイな花にぐーっと寄ってみることで、他の人にあなたが見つけた「キレイなもの」が何だったのか伝わるのです。そして、撮りたいものにぐんぐん寄ってみる、ということを意識していると、何が余計なものなのか、だんだんわかってきます。
テーマをつくって撮ることに慣れてきたら、次は光のとらえ方に注意してみましょう。アマチュアとプロのカメラマンの一番の違いは、光の使い方です。光がどの方向から射しているのか、また蛍光灯の光なのか、外光なのか、光の質によっても影の出方が違います。変なところに影が映ったりしていないかということにも、気を付けてみてください。場合によっては、雰囲気を出すため、そういう影をわざと生かすということもあります。
写真を撮ってみて失敗したなと思ったら、そのままにせず、原因を解明することも大切です。光量は足りていましたか? ストロボは光っていましたか? コンパクトカメラは、ファインダーと実際のレンズが別々のため、近づきすぎてピンぼけになってしまうこともよくあります。また、きちんとシャッターを半押しして、ピントを合わせましたか? 押し方が浅くて、ピントを合わせた状態になっていないのかもしれません。また、対象物がどんな位置にくるのか……など、構図をちゃんと工夫して撮りましたか? こうして、ひとつひとつ失敗した理由を解明していけば、だんだんいい写真が撮れるようになってきます。
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