赤字国債ってなに?

小泉首相は施政方針演説(注1)の中で、「今後は『赤字国債』を30兆円以内に抑える」と、ハッキリ宣言しました。「赤字国債」は私たちの子供や孫に借金を残すだけ、といわれています。では「赤字国債」とはいったい何なのでしょうか。一緒に考えてみましょう。


国債っていったいどういうもの?

国債とは国の財政の収入不足を補うために発行される債券(注2)のことをいいます。一言でいえば、国の借金の証文です。

2001年度の予算では、新たに28兆3180億円もの国債を発行しています。それだけ国が借金をしているわけです。こうして積もり積もった国の借金(国債)は実に400兆円近くにもなっています。けれども、この膨大な借金もいつかは返していかなければなりません。そのためには歳出(注3)を抑えるか、税収を増やさなければ、いつまでたっても借金は減らないというわけです。もちろん安易に税金を増やすのは避けなければなりません。そこで小泉首相はできるだけムダ遣いを減らし、今後はなるべく借金も少なくしようと訴えているわけです。




国はいったいどこからお金を借りているの?

実際に本物の国債を見た人は少ないかもしれませんが、国債は金額が印刷された紙(証書)で、それを国民に買ってもらっています。国債はお札と同様、財務省(旧大蔵省)印刷局で印刷されています。以前は証券会社でしか買うことができませんでしたが、現在では銀行や郵便局の窓口で手軽に買うことができます。最低5万円から購入可能です。

国債が満期となる期間は、3か月、6か月、2年、4年、5年、6年、10年があり、購入した金額や期間に応じて利子と一緒にお金が返ってきます。


なぜ400兆円近い借金をつくってしまったの?

かつては日本は国債は発行していませんでした。つまり借金はなかったのです。ところが、今から35年ほど前、不況のため税収が伸びず、国の財政が危機に陥ってしまいました。そこで、財政法という国債の発行を禁じていた法律を改正し、住宅建設や道路整備など、形に残るものに限って国債を発行できることにしました。これを「建設国債」といいます。

こうして、一度でも国債を発行してしまうと、あとは歯止めがきかなくなってしまい、結果として国にお金が足りなくなったら国債を発行して穴埋めをすればいい、という安易な慣例ができてしまったのです。そして、形に残らない「赤字国債」を発行し続けた結果、現在の400兆円にも届こうという数字になってしまったのです。こうした現状をつくってしまった大きな原因は、法律をつくったり運営したりする政治家にあるといえます。




天文学的な数字の借金をどうやって返すのですか?

一日何台も車の通らない道路をつくったり、利用価値のない地方空港など、お金を湯水のように使ってきたツケはいずれ増税という形で私たち国民に返ってきます。消費税もいつかは上がるでしょうし、地方自治体では新たな新税の導入を考えているところも少なくありません。こうした危機的な状況を打破するためにも、ムダ遣いをなくす、抜本的な構造改革が今こそ必要なのです。


用語解説
(注1)新しく内閣総理大臣に任命された政治家が、国会の場で政治の方針を演説すること。
(注2)国や公共団体、銀行、会社などが事業に必要な資金を借り入れるため発行する有価証券のこと。
(注3)国や公共団体などが、一会計年度内に支払う金額のすべて。