もちろん欠席してかまいません。このケースは招待状を送りつけるほうが非常識といえます。まして、学校を卒業して以来、何十年も会っていない同級生なんて、はっきりいって他人です。無駄なお金を使う必要はありません。

結婚式や披露宴、あるいはお通夜、告別式などは招待を受けたら必ず出席しなければならないということはありません。出席・欠席はあくまであなた自身が考え、返事をすべきものです。ですから、出席したくなければ堂々と欠席すればいいのです。その際の理由なんていりません。日本人はすぐに相手のことをおもんぱかったり、その後の気まずさなどを考え「義理だから」「気が進まないけど、ま、いーか」と渋々出席の文字に○をつけてしまいます。でも、LADYWEB はそんな悪しき習慣はナンセンス、と言ってしまいましょう。できれば、招待状など送られない程度のお付き合いがいいのかもしれませんね。さて、ご質問の答えですが、無難なところでは「披露宴当日は残念ながら仕事で海外に出張で出席できません」とか「親（あるいは夫、子供その他家族）の具合が悪くて、外出もままならない」なんてことにすればカドが立たなくていいのではないでしょうか。また、今後、付き合うこともないような相手なら、欠席の文字を○で囲んで返送しましょう。それだけであなたの意思は伝わるはずです。

解決方法としては、（１）招待された３件の結婚式すべてを欠席する。これなら平等に不義理をするわけですから、あなた自身の心の負担は軽くなり、なおかつお金も減りません。（２）招待をお断りしても、今後の人間関係にあまり影響がない順に１件または２件欠席する。（３）あなたの経済状態を正直に話して、ご祝儀は少ないけど、祝福する気持ちは100万円分！　と相手にお願いし、１万円で勘弁してもらう。いずれにしても、見栄をはって、サラ金などでお金を借りてまで招待は受けないこと。結婚式に来てくれなかったからといって、疎遠になるようならそれまでの仲、と考えましょう。

招待されるだろうと期待していた、親友の披露宴に呼ばれなかった……ひょっとして先方は私のことなんか親友と思ってないのかしら……？　そう思う気持ちはわかります。でも、先方には先方の事情があるのでしょう。金銭的なこと、両家の招待客のバランス、会場の収容力……等々。ここはわだかまりを捨て、思い切りおしゃれをして二次会に出かけましょう。ただし、あなたが心から親友のＳ子さんの結婚を祝福してあげる、という前提が必要です。楽しいはずの二次会に、もしあなたが不機嫌な顔でいたらみんなが迷惑します。親友に心からお祝いを言えないなら、二次会にも出席すべきではありません。

あなたの個人的な理由よりも、披露宴に呼んでくれた相手に対する礼儀の問題です。相手を祝福することよりも、自分が会場であれも食べられない、これも食べられないと思い悩むほうが大事なら、お誘いはきっぱりと断るべきでしょう。ただし、結婚披露宴は食事をする場ではなく、あくまでも結婚したふたりをお祝いする場です。「ダイエット中なので……」「医者から止められているので……」といった理由で、アルコールや食べ物を断ることもできるはず。この場合は、たとえお酒が飲めなくても、あるいは肉や魚が食べられなくても、喜んで出席するという大人の判断が大切ではないでしょうか。

経済的に余裕があれば、バカンスを兼ねてハワイに行くのもいいですよね。でも、友人の結婚式や披露宴に出席するためだけに、高い飛行機代やホテル代を負担するのはたしかに納得いきません。海外で結婚式を行なうケースでは、常識的には結婚式を主催する側で飛行機代やホテル代を負担するものです。それもなく、自費で来てほしいというこのケースは、相手の都合を考えない、かなり非常識なケースといっていいでしょう。この場合は、はっきり「経済的に余裕がないので出席できません」と返事をしても、まったく失礼にはあたりません。

同じように日本国内でも、飛行機や新幹線を使わないと行けない遠方に、招待されることも少なくありません。こんなときも良識ある人なら、交通費あるいはホテル代などを負担してくれるはずです。高い交通費をかけて、おまけにお祝いまで包む……こんなバカな話はありません。なかにはホテルを斡旋します、などと平気で言ってくる人もいます。こんな招待は、キッパリお断りしましょう。

（回答者／マナー評論家・松下華繪、取材・金子保智）